新事業進出補助金を活用したフランチャイズ開業|採択が難しい?
新事業進出補助金を利用してフランチャイズを開業する方法を解説します。 補助金の概要、申請手続き、成功事例、注意点を詳しく紹介し、資金調達をスムーズに進めるための具体的な戦略を提案します。

目次
- 補助金の目的って何?
- 経営戦略を明確にする
- 専門家による相談支援
- 事業計画のシナリオを分析する
- 収益計画と資金繰りの整合性確認
- 申請書類の具体的な記載方法の指導
- ポイント
- 賃上げ計画を明確に盛り込む
- 申請書類は期限までに完璧に提出する
- 電子申請システムの操作に慣れておく
- 具体的かつ数値で裏付けられた計画を作成する
- 注意点
- 賃上げ要件未達の場合のリスクがある
- 事業計画と異なる使途や内容で補助金を使用しないこと
- 既存事業のフランチャイズは採択されにくい場合がある
- 知名度のあるブランド力
- 既存の成功モデルを活用できる
- サポート体制が充実している
- 資金調達がしやすい
- 素早く開業できる
- 業種・業態が多様
- 【フランチャイズ加盟と本部展開の違い】
- フランチャイズ加盟(フランチャイジー)
- フランチャイズ本部展開(フランチャイザー)
- 創業支援型の補助金(経済産業省・中小企業庁など)
- 自治体独自の創業支援金
- 資金調達との併用
- 信用力アップ
- 資金負担が減る
- 創業リスクが軽減する
- 長期的な経営が安定的になる
- 本部との信頼関係が強化される
- 事業計画を具体的に立てる
- 専門家のサポートを活用しよう
- 採択後の報告義務
- 審査の流れとポイント
- 加点項目について
- 採択率はどれくらい?
- 申請の流れ
新事業進出補助金の基本情報
新事業進出補助金は、中小企業や個人事業主が新たな事業分野に進出する際に利用できる補助金制度です。
企業の成長や地域経済の活性化を目的としており、とくに新市場や高付加価値事業への挑戦を後押しする制度です。
補助金の目的って何?
新事業進出補助金の主な目的は以下の通りです。
- 生産性向上→企業規模の拡大
- 経済活性化→中小企業の成長を支援し、地域経済の活性化を図る。
- 新規事業への挑戦→ 既存の事業から脱却し、新たな市場や事業分野への進出を促進
対象者と補助金額
新事業進出補助金の対象者は以下の通りです。
対象者
中小企業、小規模事業者、一定の条件を満たす中堅企業(大企業は対象外)
補助金額
補助金額は従業員数に応じて変動し、以下のようになります。
- 従業員数20人以下→750万円~2,500万円(賃上げ特例適用時は最大3,000万円)
- 従業員数21~50人→750万円~4,000万円(賃上げ特例適用時は最大5,000万円)
- 従業員数51~100人→ 750万円~5,500万円(賃上げ特例適用時は最大7,000万円)
- 従業員数101人以上→750万円~7,000万円(賃上げ特例適用時は最大9,000万円)
このように、新事業進出補助金は中小企業が新たな挑戦を行う際の強力な支援制度となっているのです。
参考:新事業進出補助金(公募要領)
賃上げによる税制優遇や助成金との相乗効果
賃上げ特例を利用して給与を増やすことで、労働関係の助成金や税制優遇の対象となる場合もあります。
これにより補助金と合わせて更なる経済的支援を受けられる可能性もあるのです。
経営戦略を明確にする
新事業でどのように競合と差別化し、どの市場で勝負するかを明確にしましょう。
マーケティング戦略や販売チャネルの選定も大事な要素です。
専門家による相談支援
公的機関や商工会議所、中小企業支援センターでは、事業計画の策定や資金計画の作成について無料または低額で専門家の相談を受けられます。
事業計画のシナリオを分析する
リスクや課題、外部環境の変化を踏まえたシナリオ分析を行い、計画の強みと弱みを把握してください。
これにより、柔軟な対応策を計画に盛り込むことができ、実行可能性が高まるのです。
収益計画と資金繰りの整合性確認
売上予測やコスト計算、利益率などの数値を緻密に計算し、資金繰りが破綻しないかを検証します。
実際の設備投資や人員配置計画と連動させることがポイントです。
申請書類の具体的な記載方法の指導
単に事業内容を書くのではなく、補助金審査で評価される新規性、市場性、収益性、賃上げ計画などを明確に説明できるよう指導を受けましょう。
具体的な数字や根拠を用いて説明すると審査での評価が上がります。
新事業進出補助金 申請時のポイントと注意点
新事業進出補助金 補助金申請は単に書類を揃えれば良いわけではありません。内容の正確性や具体性が求められます。
以下のポイントと注意点を押さえて申請準備を進めましょう。
ポイント
賃上げ計画を明確に盛り込む
補助金の重要な要件のひとつである賃上げについて、最低限の要件または賃上げ特例を満たす計画を立てましょう。
申請書類は期限までに完璧に提出する
提出期限の厳守はもちろん、添付資料や証明書類の不備がないよう注意しましょう。
電子申請システムの操作に慣れておく
GビズIDプライムアカウントの取得や申請システムの使い方は早めに確認し、トラブルを防いでください。
具体的かつ数値で裏付けられた計画を作成する
新事業進出の定義を正確に理解し、計画に反映させましょう。
単なる事業の拡大や更新ではなく、新市場や高付加価値事業への挑戦であることを示す必要があります。
売上高、利益率、付加価値額、賃上げ率などを具体的に記載し、実現可能性を示しましょう。
注意点
賃上げ要件未達の場合のリスクがある
補助金返還が求められることがあります。
事業計画と異なる使途や内容で補助金を使用しないこと
補助金の不正使用は返還請求や罰則の対象となります。計画通りに実施しましょう。
既存事業のフランチャイズは採択されにくい場合がある
新事業進出補助金にフランチャイズでの検討をされる場合には新市場性、高付加価値性の要件に照らし合わせると相当程度普及されていると事務局から判断されることが考えられます。
よって採択は現実的に厳しいことが予想されるので、専門家や公募要領等をよく踏まえて申請をしましょう。
フランチャイズ開業の魅力とは?
フランチャイズ開業は、個人が自らのビジネスを持ちたいと考える際に、有力な選択肢のひとつです。
以下に、フランチャイズ開業の主な魅力を紹介します。
知名度のあるブランド力
フランチャイズに加盟することで、すでに市場で認知されているブランド名を利用できます。
これにより、開業当初から一定の集客力が期待でき、初期段階でのマーケティングコストを抑えることが可能です。
既存の成功モデルを活用できる
本部がこれまで培ってきたビジネスモデルや運営ノウハウを活用できるのも大きなメリットです。
業務マニュアル、接客方法、店舗運営などのノウハウが提供されるため、未経験者でも比較的スムーズに事業を始められるでしょう。
サポート体制が充実している
フランチャイズ本部からは、開業前の研修や物件選定のサポート、広告宣伝の支援、経営に関するアドバイスなど、さまざまなサポートが受けられます。
これにより、個人事業主でありながらも、孤立せずに事業を展開できます。
資金調達がしやすい
フランチャイズ開業は、金融機関からの信用度が高くなる傾向があります。
すでに成功しているモデルに基づいていることから、事業計画の信頼性が高く、融資が通りやすくなるケースもあります。
素早く開業できる
ゼロから事業を立ち上げる場合と比べて、フランチャイズでは開業までの期間が短縮されることが多いです。
あらかじめ用意されたシステムや設備の手配があるため、スピーディーに事業をスタートできるでしょう。
業種・業態が多様
飲食業、小売業、教育、介護、サービス業など、さまざまな業種でフランチャイズ展開が進んでいます。
自身の興味や適性に合わせて選択肢が広がるのも、フランチャイズ開業の魅力のひとつです。
フランチャイズ開業における補助金の活用方法
フランチャイズ開業における補助金の活用法について説明します。
【フランチャイズ加盟と本部展開の違い】
まず、フランチャイズビジネスにおける加盟と本部展開の違いを明確にしておきましょう。
フランチャイズ加盟(フランチャイジー)
- 商品・サービス・店舗デザインなど、運営方法は本部の規定に準じる。
- 加盟金、ロイヤリティ、初期研修費用などを本部(フランチャイザー)に支払う。
- 本部からの経営指導や仕入れルートの確保、広告宣伝などの支援を受けられる。
- すでに存在するフランチャイズチェーンの一員として、個人または法人がそのブランドの店舗を運営すること。
フランチャイズ本部展開(フランチャイザー)
- 加盟者を募集し、店舗の指導・支援・契約管理などを行う
- 自社のビジネスモデルを他の事業者に提供し、フランチャイズ展開する側
- ブランドの知名度向上、ノウハウの共有体制、マニュアル化された運営フローが求められる
フランチャイズ加盟は、既存ブランドのノウハウを活かして比較的早期に収益を上げやすい一方で、運営の自由度は低く、本部の方針に従わなければなりません。
本部展開は、事業の拡大を図るうえで有効ですが、初期コストや管理体制の整備が重要です。
補助金を利用した具体的な資金計画を立てる
フランチャイズ開業には、以下のような資金が必要です。
- 加盟金
- 内装工事費
- 広告宣伝費
- 設備・機器購入費
- 運転資金(数ヶ月分)
- 店舗の賃料(保証金含む)
一般的には500万円〜1,500万円ほどが目安ですが、業種や立地によって大きく異なります。
これらの資金を賄う手段のひとつとして、補助金の活用があるのです。
補助金なので原則として返済不要であり、以下のような制度が活用されます。
創業支援型の補助金(経済産業省・中小企業庁など)
例)創業・事業承継補助金、事業再構築補助金、持続化補助金、新事業進出補助金など
創業時の経費(内装、設備、広告など)に対して、1/2〜2/3を補助(上限数百万円〜)
自治体独自の創業支援金
都道府県や市区町村によっては、フランチャイズ開業も対象とする独自の補助金を用意している場合あり。
対象地域への開業・雇用創出が条件となる場合も。
資金調達との併用
補助金は、銀行融資や信用保証制度と併用して資金計画を立てることで、自己資金の割合を抑えながらも安定した運転資金を確保できます。
補助金対象経費の例(内装費、設備投資など)
補助金で支援される経費は制度によって異なりますが、以下のような費目が代表的です。
内装・外装費
- 看板設置費
- 店舗デザイン・設計費
- 内装工事(壁、床、照明、什器など)
設備・備品費
- 厨房機器(飲食系の場合)
- POSレジ、券売機、冷暖房設備など
- 洗濯機・乾燥機(コインランドリーの場合)
広告宣伝費
- SNS広告・ネット広告
- オープンチラシ制作・配布
- 店舗紹介動画やパンフレット作成
専門家謝金
- 事業計画の作成支援
- 会計士・税理士などへの相談料
システム関連費用
- 顧客管理システム(CRM)
- 会計・在庫・勤怠ソフトなどの導入費
創業時に補助金を活用するのもおすすめ
フランチャイズの創業時に新事業進出補助金を利用するのもおすすめです。
信用力アップ
補助金の採択には計画性が求められます。
第三者評価を得た事業計画は金融機関からの評価も高まり、融資が受けやすくなるでしょう。
資金負担が減る
補助金を活用することで、初期投資の30〜70%程度を賄えるため、自己資金の圧迫を防げるでしょう。
創業リスクが軽減する
自己資金比率を下げることで、失敗時の損失リスクも軽減。
フランチャイズ加盟時の心理的ハードルが下がります。
長期的な経営が安定的になる
設備や広告への投資を初期に十分に行えることで、開業直後からの集客力が向上し、黒字化が期待できるでしょう。
本部との信頼関係が強化される
しっかりと補助金を活用し、実行力を持って開業に取り組むことで、本部側も長期的なパートナーとして信頼してくれる傾向があります。
新事業進出補助金申請時のポイントと注意点
補助金申請は、単なる事務手続きではなく、事業の将来像を第三者に説明・証明するためのプロセスです。
事業計画を具体的に立てる
フランチャイズで開業する理由や、その地域でのニーズ、競合との差別化、売上・利益計画などを論理的に記述しましょう。
- 補助金対象外の支出に注意
- 提出期限・手続きに余裕をもつ
- 加盟金やロイヤリティは原則として補助金の対象外
- 購入済みの備品や着手済みの工事も遡及して補助対象にならない点に注意
補助金は事前申請が原則。開業のスケジュールと合わせて逆算して準備を始めてください。
専門家のサポートを活用しよう
補助金支援を行う中小企業診断士、行政書士、税理士の協力を得ることで、通過率は格段に上がります。
採択後の報告義務
採択された場合、事業終了後にも実績報告・領収書の提出などが求められます。
適切に実施しないと補助金の返還義務が発生することもあるため注意しましょう。
公募スケジュールについて
第1回の公募は2025年4月22日に開始され、6月17日から申請受付が始まり、7月15日に締め切られました。採択結果は10月頃に発表される予定です。
また、第2回公募の情報も段階的に発表されており、公募期間は2025年9月12日から12月19日となっています。
さらに、申請受付開始日は2025年11月10日から予定しており、申請締切日に関してはまだ発表されていません。
公式サイトから、最新の情報をチェックしておきましょう。
参考:新事業進出補助金(スケジュール)
審査の流れとポイント
申請後はまず書面による審査が行われ、基準を満たせば必要に応じてオンラインでの口頭審査が行われます。
書面審査では主に以下の項目が評価されるのです。
- 政策面での評価
- 計画の実現可能性
- 公的補助の必要性
- 事業の将来性や有望性
- 補助対象事業として適切か
- 大規模な賃上げ計画の妥当性
- 新規事業の市場性や付加価値の高さ
オンラインの口頭審査はZOOM等で実施され、安定したネット環境とカメラ、マイクが必要です。事前に準備をしておきましょう。
加点項目について
申請時に以下の認定や参加実績などを持つと加点の対象となります。
- 技術情報管理認証を取得している
- 健康経営優良法人の認定を受けている
- アトツギ甲子園のピッチ大会に出場した
- パートナーシップ構築宣言を公表している
- 再生事業者で再生計画を策定中または策定済み
- 「くるみん」や「えるぼし」などの認定を受けている
- 成長加速化マッチングサービスに登録し課題を提示している
これらは数日から数ヶ月かけて取得するものもあるため、可能な限り準備を進めておくと良いでしょう。
採択率はどれくらい?
現在のところ正式な採択率は公表されていませんが、応募者数が約1万、採択者数が約1,500と想定されていることから、およそ15%程度といわれています。
これは以前の事業再構築補助金の採択率(約35%)よりも低い水準です。そのため、精度の高い事業計画が求められるでしょう。
申請の流れ
申請の流れは以下の通りです。
- 応募申請書を提出し、新事業進出の計画を提出する
- 事務局による審査後、採択者が決定される
- 採択された事業者は補助金の交付申請を行う
- 交付決定通知を受け取る
- 指定された期間内に補助事業を実施し、必要に応じて状況報告を行う
- 補助事業終了後30日以内または実施期間終了日までに実績報告書などを提出する
- 補助金額確定後、精算払の請求を行う
- 補助金が振り込まれる
- 補助事業完了年度の翌年度から5年間、事業化状況や付加価値額の報告を行う
申請は電子申請システムを通じて行い、GビズIDプライムアカウントの取得が必須です。
また、「次世代育成支援対策推進法」に基づく一般事業主行動計画の策定と公表も必要です。
参考:新事業進出補助金(公募要領31ページ)
おわりに
本記事では、とくにフランチャイズ加盟を検討する方向けに、補助金の具体的な活用方法や資金計画の立て方、補助対象経費について解説してきました。
新事業進出補助金を利用することで、自己資金の負担を軽減し、無理のない資金計画を立てることが可能です。
フランチャイズ開業を目指す方は、補助金制度を積極的に活用しましょう!
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監修者からのワンポイントアドバイス
フランチャイズ開業においては銀行融資や補助金など様々な選択肢があります。補助金によってはフランチャイズ開業の場合はカバーできる範囲が異なってきますので必ず、申請要件や公募要領を熟読した上で検討すると良いです。専門家に事前に相談されることをお薦めさせて頂きます。

補助金・助成金を専門とする行政書士として、補助金申請サポート実績300社以上を有する。 慶應義塾大学卒業後、大手製薬会社での経験を積んだ後、栃木県・兵庫県に行政書士事務所を開業。『事業再構築補助金』、『ものづくり補助金』、『IT導入補助金』をはじめ、地方自治体を含む幅広いジャンルの補助金に精通。リモートを中心に全国の事業者の補助金申請サポートを行っている。
